透明人間 by H. G. ウエルズ(橋本槇矩/訳)

天帝と近いものを感じる･･･
包帯とか、服装のイメージとか。

大切なモノを対価にするあたり、
「影をなくした男」も思い出す。

計画的かどうかは違うけれど。


透明。
その自由の身で。
何を願う？

その不自由な身で。
何を破壊し、何を手にする？

天帝妖狐＊by 乙一

(集英社文庫「天帝妖狐」収録)

胸を突くような、痛み。悲しみ。
泣きたくなる。

でも、杏子ちゃんみたいな存在は
本当に、救いなのだと思います。


孤独故の遊び。
孤独故の受容。
孤独故の契約。

全てはそこから始まり、
全てはそこで終わった。

はじめの望みのままに、
逃げて壊して･･･生き続ければいい。

A MASKED BALL ―及びトイレのタバコさんの出現と消失―＊by 乙一

(集英社文庫「天帝妖狐」収録)

場面設定の面白さ。

壁の落書きから始まる、っていう
アナログさが、好き。

怖さより
ミステリ要素を感じる作品。


壁は、
顔も知らない誰かとの伝言板。

カタカナで書かれた落書き。
その内容に準じて起こる事件。

―お前は誰だ。

三人の息子 by トルストイ(中村白葉/訳)

(岩波文庫「トルストイ民話集 イワンのばか」収録)

ある意味、末子成功譚。

でも、教訓のようなものを示すとき、
最後に良い例を提示するのは、1番無理のない流れですよね。


父のように暮らす。

その言葉に込められた意味、
しかと噛みしめ、
幸福を掴むがいい･･･

作男エメリヤンとから太鼓 by トルストイ(中村白葉/訳)

(岩波文庫「トルストイ民話集 イワンのばか」収録)

こういうファンタジックさ、
好きです。


王さまとその家来が与える
無謀な仕事。

平穏な生活を取り戻すため、
遠くから聴こえてくるのは

けたたましい音―